二月二日   「君の窓を開けて」


晴れが続いている。
冬の光が美しく、太陽は一日を始めさせてくれる。
花の水を入れ替えて、コーヒーをボトルに淹れて、今日もピアノ録音を始める。

ふと、思ったのだが、この部屋にピアノが来てからミュート以外の音を鳴らしたことがなかった。
普通の生のピアノの音。
窓を開けて、気持ちの良いひかりのなかで、一度だけミュートを外して弾こう。
思いつくまま、手が動きたいところへ、赴くままに。
スティルライフに、作曲した曲を演奏することに、没頭していつもの様に弾くことを忘れかけていた。
硬くならないこと、いつも柔らかくあることを大切にしたい。


今日はJ-WAVEのラジオ番組が放送された。
そう、この時
「新しい朝」を弾いたのだった。
収録時はスティルライフ制作の前半だったが、さすがに放送の頃には完成しているだろうと思っていたけど、まだ向き合っている。この曲はもしかするとやはり、最後の最後に完成するのだろうか。

 
suzuki takahisa