二月一日 「句読点と旅立ち」
ミュートと麻。新しいたくさんのテイクが生まれ、それらを整理していく。
スティルライフには基本的に楽譜がない。
譜面台にあるのはいつも讃美歌集と教会の文書。
当然、楽曲は頭の中だけにあるので、録り直せば、その都度変わっていく。良くも悪くも。でも新しく。
今日も麻でどんどん録音しているが、
いくつかの楽曲は既に完成したと言える。
作曲、編曲、録音、推敲。
という工程を経て、ひとまずの句読点を打ったのだ。
次は「ミックス」だ。
完成と思える曲を玄に渡し、それぞれの曲のイメージを文章で伝える。
あれもこれもと言いたくなるが、ぐっと抑えて。
大切なことを、なるべく簡潔に。
子供が海外のホームステイへ旅立つ時に出す親の手紙ような感覚だろうか。
きっと、玄の元でしばらくの時間を経たら、
彼らは成長して戻ってくる。
まだホームステイに行けない子達も、たくさん残っている。
次に旅立つ子はどの子だろうか。
今日も一曲、旅立ちを迎えた。
明日もせっせと、旅立ちの準備をする。