一月三十一日 「循環と調和」

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大切なのは「環」であり、
それは、ものごとがうまく「循環」してるということ。
「調和」はそこから生まれる。

調和を生むには、まず「既成概念の破壊」が必要なのかもしれない。逆説的なようだが。
ではスティルライフの現状における破壊とは。
それは、完成に近づき表面的に綺麗にまとまったこのアルバムを多角的に見直すこと。
その上で、抜本的なメスを入れることである。
これまで録音した過半数を、新しい布のオリジナル・ミュート・ピアノでやり直している今、当初はようやく出来たひとつの完成形を愛おしくも思っており、録り直しには抵抗があったが、もはや新しい曲にザクザク生まれ変わらせていく破壊のドライブ感に快感が生まれてきている。


「これで良いだろう」という妥協はあってはならない。
この物語に「句読点」はあっても、「終わり」はない。


よし、もう完成した。
いや、本当にそうだろうか。
この繰り返しが大切だ。 飽きることのない繰り返しで作品は濾過されて、より無駄を省きシンプルなものへ洗練されていくはずだ。

発表したら後戻りは出来ない。
反省はあっても、後悔はあってはいけない。
それはこの地道で手間のかかる、濾過の手順を踏むかどうか。技術の問題ではなく、心の問題なのだ。
「終わり」は無くても、「句読点」はいつかつけることになるのだから。

 
suzuki takahisa