一月十三日  「春からの電話」

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「新しい朝」がきた。
快晴の祝日。

昨日、humming bird coffeeでリスニングを行い、帰り道には「新しい朝」をスティルライフから外すことを決断していた。どうしても音数が多く、ミュートピアノには合わなかった。最初に生まれた曲で、長く付き合ってきただけに、とても苦しい判断だった。
しかし今日の晴れの日に、窓からの木漏れ日と、外からの子供達や鳥の声。こんな風な情景の曲だったなあと、新鮮な気持ちで間引いた風に弾いてみたら、スティルライフの一曲目として相応しい、生まれ変わった「新しい朝」が生まれた。
今日はレコーディングを始めてから最も喜ばしい日となった。「新しい朝」が生き残ってくれた。
どうしても、この曲で始まりたかったのだ。

そのままの勢いで「春からの電話」を録音。
技術的に僕には少し難しい曲だったが、日が暮れ、夜になる頃には完成した。昨日TKCと話していて出たアイディアで、「リリウム」という曲のフレーズを盛り込んでみた。それがうまく合致したと思う。

苦しい時には、ピアノの譜面台に置いてある天草の教会のカードを読む。不思議と心が落ち着く。
いつも譜面台にあるのは譜面ではなく、このカードと讃美歌集だけである。

スティルライフが、ゆっくりと形作られていく。

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suzuki takahisa