一月十二日  「悲しみを持たずに」


晴れのち曇り。

今日も近くのカフェでドリップコーヒーとサンドウィッチで一日が始まる。
昨日HADEN BOOKSにお土産にした花屋西別府商店のチューリップは、我が家にも一輪持って帰ってきた。
チューリップに水をやり、窓を開ける。

今日は玄と、「新しい朝」の音作り。
山梨と東京で、電話しながら何度も音をやり取りする。
録音してわかったことだが、この曲はミュートピアノでは音作りが非常に難しい。五回ほどやり取りを繰り返し、玄が希望に応えてたくさんの作業をしてくれて、ようやく落ち着きをみせたが、しばらく考える時間が必要かもしれない。
ひとまず今日の録音に取り掛かろう。

「悲しみを持たずに」という曲に取り組んだ。
これはとても理想的な録音となった。思い描いていたスティルライフの音だ。こう聴くと、やはり「新しい朝」だけがスティルライフの音から少し違う世界にいるのかもしれない。あの曲を一曲目にと、当初から決めていたので、とても悩ましい。新しい世界の朝の曲。

Hummingbird coffeeへ行き、閉店後にスピーカーで試聴させてもらう。
違った環境で聴くと、新しい発見がたくさんある。
いくつかの嬉しい気づきと、判断しなければならない事柄。何曲かを今回のスティルライフから外した。レコーディングの最中だが、どうやらあと二曲ほど新しい曲が必要かもしれない。

スティルライフはまさにいまこの瞬間に、生まれている。

 
suzuki takahisa