三月七日   「ひとつの道標」

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この日誌を振り返ると、
常に心がけるように言葉にしていたことがある。
多角的に、客観的に、対岸から対象を見つめる。
自我を外して弾き、主観を外して聴く。
物事の風通しをよくすること。
出来るだけ身軽に、シンプルであること。
常に新鮮な状態でいること。

ミックスはバージョン3に至り、ここまでくると、「完成」と思える、そして、完成と思いたい心持ちとなる。
ミックスもやることはやり終えた、このバージョン3で間違いないだろう。

ところがどっこい。
時間を空けてから、身近な方のアドバイスと共にバージョン1や2に立ち戻り聴き比べると、3が全ての正解などでは全く違った。結果的には、およそ半分程はバージョン1が良く、場合によっては新たなバージョン4を作ることになり、いかにその時の主観というものが狭く小さな世界なのかを思い知らされる。

「バージョン3。ここまで詰めたのだから1より良いに決まってる」

という、思い込み。
自意識が硬くなると耳まで閉じる。
最後まで、柔らかくいこう。

明日から山梨へ。
自分なりのミックスを終えて、いよいよ玄とマスタリング作業。スティルライフの仕上げ。キャメルスタジオへ。

 
suzuki takahisa