一月十九日  「ベランダの月」「イーゼルを見据えて」

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一月十九日

快晴。
昨日の雪が幻だったかのような澄み切った青空。
太陽が嬉しい。
今日も一つずつ進めていく。

「ベランダの月」
「イーゼルを見据えて」
この二曲は昨日録音した「雨の日のために」と共に、スティルライフの中核を担う曲たち。
大事な曲だけに、時間をかけて臨む。
コーヒーを飲みながら、テイクを重ねるうちにいつの間にか日が暮れて、夜になった。
どうにか無事に二曲とも録音を終えることが出来た。
これで五合目までは来ただろうか。

スタートしてから何日かの、ミュート・ピアノと少しずつ仲良くなっていく為の試行錯誤期間が、今に活きている。

今日の録音はここまで。
他に何曲か、弾き方やアレンジの試し録音を終えて、夜はゆっくりとリスニングの時間に入る。
曲数が増えて二十曲近いので、曲順も考えつつ、距離を置いて全体を見なくてはならない。木を見ている作業が続くと、森が見えなくなる。

起きてコーヒーを飲み、録音して、推敲して眠る。
この繰り返す循環の生活に慣れてペースが上がってきたが、急ぎ足になってはならない。早く作れば良いわけではないのだから。春を見据えて、この冬の日々がやがて確かな芽吹きとなるはずだ。


photo by TKC

 
suzuki takahisa