一月二十二日  「君のソネット」

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曇りから太陽の光が差す。
光のカーテン。

「君のソネット」に取り掛かる。
ラフに録音していた時にはフラットに弾けたが、いざレコーディングとなると、僕には難しい曲だった。
中低音部のバッキングと高音部のメロディの客観的な棲み分けと、意識的な弾き分け、そして抑制を配慮した上で、沸点には到達しないようなテンションと、ある程度一定のテンポ感が必要になる。
思っていた以上に難しい。
甘くみていたのだ。
それほどまでに普段は抑制の無い環境で自由気ままに演奏してきたのだ。どれだけ甘えた環境に居たのか、自分への良い戒めとなる。

日が暮れて、なんとか試作は録り終えた。
疲れ果てて温泉へ行く。
スティルライフレコーディング中は、珍しく自宅の風呂も多いが、普段は日常的に温泉か銭湯に行くことを大切にしている。ライフスタイルに無くてはならない工程だ。
生活の中心と言っても良い。
理由は沢山あるが、それはまた別の機会に。

今日はよく通っている温泉に行ったら、風呂場で内田輝に再会した。新年に入って初めて会うのが温泉とは、さすが長年を共にしてきた旅する音楽仲間。
二人とも一年中、何処かを旅していて、たまにDUOをする。
PIANO ENSEMBLEも、FOLKLOREも、kadanも、全てを彼と共にしてきた。
そのまま夕餉を共にし、語り合い、良い一日となった。

明日も「君のソネット」に取り組む。
これは二日、三日がかりの曲になりそうだ。
こうして向かうべく壁が来ると、非常に面白い。

 
suzuki takahisa